品質マニュアル/内部監査、認証審査時のお役立ち情報
- IATF要求事項を箇条個別に品質マニュアルにまとめた事例を紹介!
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IATF16949&ISO9001規格要求事項 【第3章】箇条数
第3章の内訳です
国際規格種別 | 箇条数 |
ISO9001:2015 | 0 箇条 |
IATF16949:2016 | 1 箇条 |
合計 | 1 箇条 |
第3章 (用語及び定義)運用 のどの辺?
『第3章 (用語及び定義)』ここでは、ISO及びATFの専門用語の説明をします。
品質マニュアル作成事例⇒IATF3.1 自動車業界の用語及び定義
品質マニュアル作成用として、私の独断と偏見で、書いています。
皆さんの品質マニュアル作成の参考に成れば幸いです。
品質マニュアルの冒頭のページに、用語集として記載する感じです。
この用語説明が無いと、ただの暗号名に成ってしまいますね。想像が出来ない名称も有りますので・・・。
ただ、個人的には、この用語の重要性は、ほとんど感じません。IATFを認証する上で、品質マニュアル作成には、第三相として付け加える付録と思っています。
3.1 自動車業界の用語及び定義
当社の品質マニュアルは、IATF16949:2016及びJIS Q 9000:2006 に規定されている用語の定義を適用する。
1) アクセサリー部品(accessory part)
- 最終顧客への引渡しの事前(又は事後)に、機械的又は電子的に車両又は、使用の支援に成る事を意図した追加状況を提供するものである。
2) 先行製品品質計画(APQP ; advanced product quality planing)
- 顧客要求事項を満たす製品又はサービスの開発を支援する、製品品質計画プロセス。APQPは、開発プロセスにおいて手引きとして活用し、組織と顧客との間で結果を共有化する標準的方法でもある。
- APQPは、数ある中でも特に、計画の頑健性、設計試験及び仕様への適合、生産工程設計、品質検査規格、工程能力、生産能力、製品の荷姿、製品試験及び作業者教育訓練計画を網羅している。
3) アフターマーケット部品(aftermarket part)
- サービス部品用途としてOEM(自動車製造会社)が、調達又はリリースするものでない交換部品で、OEMの仕様どおり製造されてもそうでなくても良い。
4) 正式許可(authorization)
- 組織内で、許可を与える若しくは、拒否する。又は、制裁する事に関係する権限及び責任を規定する人に対する文書化した許可。
5) チャレンジ(マスター)部品(challeng master part)
- 生産設備に於ける、『ポカよけ装置』の機能・検出の妥当性確認に使用する為に使用する、ダミーサンプルの事をチャレンジ部品と呼ぶ。
- ダミーサンプルは、OKとNGと言った、各種ポカヨケが検出すべきモード別にダミーサンプルを揃えなければならない。
- ダミーサンプルは、定期的に校正され、記録保持する。(測定機器同様の管理)
6) コントロールプラン(control plan)
- 製品を製造管理する為に、各工程の管理要求事項を記述した文書。(付属文書A参照)
7) 顧客要求事項(customer requiments)
- 顧客が要求する各種要求事項が記載されている。
- 例)図面、仕様書、検査規格、SPC、APQP、技術、商流、製品スペック、製造工程に関係する要求事項、一般の契約条件、等。
8) 顧客固有要求事項(CSRs ; customer-specific requirements)
- 各自動車メーカー(OEM)が、発行作成するサプライヤへ約束させた各種要求事項の事。IATF16949の各箇条に関連し、その要求事項へ追加記載される等をした文書。
9) 組立設計(DFA ; design for assembly)
- 組立性を考慮した製品設計プロセス
- 例)製品に対して、可能な限り、少ない部品点数で構成されれば、組立時間の削減、組立コストの削減につなげる。(IATF8.3.3.2参照)
10) 製造設計(DFM; design for manufacturing)
- 生産性を考慮した、製品設計を目的とした、製品設計及び工程設計の総合化の考え。コストと造りやすさを考える。(IATF8.3.3.2参照)
11) 製造及び組立設計(DFMA)
- 考え方は、以下、2つの方法論の組み合わせに成る。
- 製品設計(DFM):容易に生産する為の製品設計を最適化するプロセス。
- 組立設計(DFM):不具合のリスクを低減、コスト低減、組立作業性を考慮した製品設計。
12) シックスシグマ設計(DFSS)
- シックスシグマの品質レベルで、生産可能な工程設計を狙う。体系的方法論、ツール及び手法の事。
- Cpk1.67より厳しい品質レベルを狙う。(IATF8.3.5.1参照)
13) 設計責任のある組織
- 新規の製品仕様及び技術を確立させる。また、既存製品の仕様変更の技術変更の権限を持つ組織の事。
- 注記)上記責任に含む内容は、顧客規定の適用条件内で、設計性能に関する『試験及び検証』が含まれる。
14) ポカヨケ
- 不適合製品の製造を予防する為の、製品及び製造工程の設計・開発。
15) 上申システム
- 組織内の各種問題に対して、適切な要員が、その状態に対応し、解決策を監視できるよう、『各種問題を指摘する』、『報告・伝達(打ち上げる)』2つの要素を含めた伝達システムの事。
16) 故障の木解析(FTA)
- 『システムの望ましくない状態』を解析する故障解析の方法論。故障の木解析は、システム全体の論理図を創出する事によって、『故障、サブシステム、冗長設計要素』の関係を描く解析手法。
17) 試験所
- 試験所とは、検査や試験、試験及び測定機器の構成をする為の施設を指す。
- 試験所施設に、含まれる内容は、『化学、金属、寸法、物理、電気又は、信頼性の試験』を含めて良い。また、それに限定されない。
18) 試験所適用範囲
試験所の範囲は、管理文書にて下記の事項を含めた、管理文書を構成する。
試験所を運用する為に必要な適格性確認された、
- 特定の試験、評価、校正。
- 上記を実行する為に用いる設備のリスト。
- 上記を実行する方法及び規格のリスト。
19) 製造
- 製造とは、下記に示す生産及び仕上工程プロセスを指す。
・生産材料
・生産部品若しくはサービス製品
・ASSY品
・熱処理、溶接、塗装、鍍金、若しくは他の仕上げ作業。20) 製造フィージビリティー
- 日本語では、『製品の実現性』の意味。自社が、製品を生産する上で、顧客要求事項が満たされる生産が、自社の現状技術・実力で、実現可能かを検証する為のAPQP(Phase1)プロジェクトの分析及び評価。
- この『製品の実現』の実現可能性を分析評価するプロセスには、次の事項(該当する場合必須)も含む。
- それは、新製品プロジェクトに必要な『コスト、必要な資源、施設、治工具、生産能力、ソフトウエア、必要技能人員、業務支援機能等々』を考えた製品開発計画。
21) 製造サービス
- 自社の完成品に関わる、『構成部品及びASSY品』に対して、『試験、製造、配給及び修理サービス提供』を行う、外部委託会社(外注)を指す。
22) 部門横断アプローチ
- プロセスがどの様に管理されるかに影響を及ぼす可能性がある全ての利害関係者からインプットを得る方法。
- 関わる要員は、『部門要員、顧客、供給者』の代表からなるチーム。
- チームメンバーは、組織の内部又は、外部要員で可。
- 既存のチーム又は、状況により、臨時のチームの編成も可。
- チームへのインプットは、組織及び顧客の両方のインプットを含めて良い。
23) 不具合なし
- エンドユーザー購入後の自動車が、販売店等にて、サービス案件が発生した時に不具合部品の交換発生。その不具合部品を『自動車メーカー又は、自動車部品製造メーカー』によって、不具合部品現物を分析。その分析は、製品品質条件(検査規格等)に基づいた全ての要求事項を満足した場合の判定結果を『不具合なし』と表現する。
- IATF用語で、【”故障無し(No Fault Found)”又は”不具合発見無し(Trouble Not Found)”とも呼ばれる】
24) アウトソースしたプロセス
- 自社以外の外部組織・企業によって実施される、業務プロセスの事。
25) 定期的オーバーホール
- 金型、生産設備等の『予測不能な重大故障』を予防する為、故障又は中断の経緯に基づいて、『設備の一部、又は設備のサブシステム』を予め計画的に操業停止し、設備の保全作業(分解し、修理し、部品交換し、再度組立)を実施し、通常生産を再スタートさせる、保全の方法論の呼称。
26) 予知保全
- 生産設備等に対し、保全のタイミングを予知できる方法。定期的且つ継続的に実施する手法。
- 任意に定め(任意パラメータによる統計的手法等)で、保全を実行に移すタイミングを予測可能にした監視、評価にて実施する。
27) 特別輸送費
- 契約した輸送費に対する、『割増費用又は負担』。
- 注記)特別輸送とは、納期遅延等で発生した予定外の輸送費用に成る。
28) 予防保全
- 製造工程設計のアウトプットとして、『設備故障及び予定外の生産中断』の原因除去する為に、一定の間隔で計画した活動。
- 事例)時間ベース、定期的点検、オーバーホール等
29) 製品
- 製品実現プロセスの結果として生じる、意図したアウトプットに該当する。
30) 製品安全
- 製品が顧客へ危害を与えない事を確実にする為、製品設計段階で、製造過程や製品使用時の安全性を織り込む考えの事。
31) 生産シャットダウン
- 製造工程が稼動していない状況。
- 停止期間は、短期(数時間)及び長期(数ケ月)と特定はしていない。
32) 対応計画
- 異常又は、不適合事象が、検出された時に行動する計画の事。
- その対応計画は、コントロールプラン記載する。
33) 遠隔地にある業務支援事業所
- 主要製造工場をサポートする、製造プロセスの一部を支援する事業所等の事。
- また、営業所や設計開発センター、試験所等の生産プロセスのないサイトを指す。
34) サービス部品
- ディーラーの修理で使用する、一般に言う純正補修部品の事。
- OEM(自動車製造会社)が、調達又はリリースし、OEMの仕様通り製造される再生部品を含む交換部品。
35) 拠点
- 価値を付加する製造工程のある事業所。
36) 特殊特性
- OEM(自動車メーカー)が指定しる『重要保安部品』の特殊特性の事。
- 主にリコールに関わる、安全事項や国内外の法令規制要求事項が該当する。
- 其の他、『合わせ立て付け、機能、性能、製品の後加工に影響の可能性、製品特性、製造工程パラメータの区分』等々。
37) 特別状態
- リコールの発生、異常に高い納入不良率の状態の事を表す。
- また、頻繁な納入遅延による顧客生産ラインへの悪い影響を与えている状況。
- それらの関係から顧客の規定(購買契約書に基づき)により、顧客からペナルティーを受けている状況。
38) 業務支援機能
- 製造拠点を支援する、非生産業務活動をする支援部門の事。
- 製造拠点内又は遠隔地にある業務支援事業所で行われる。
- 支援部門の具体例は、『品質マネジメント、購買、製品設計、工程設計、購買、営業』等が該当する。
39) 総合的設備管理(TPM:Total Productive Maintenance)
- 製造現場にて、製造設備の保守管理を総合的に行い、工程設備、ツーリング等の停止時間の減少を目指し、生産性の向上を計る維持改善の活動システム。
40) トレードオフ曲線
- 製品の様々な設計特性の相互関係を理解し伝達する為のツール。
- この手法は、設計者が、QCD(品質、コスト、納期)が関わる内容を全て意識する為に使われる。
- トレードオフ曲線は、どのような項目同士がトレードオフの関係にあるかをインプットした上で、どの関係性がどのような曲線を描き、妥協点がどこにあるかを見いだすために使用します。
- 縦軸:一つの特性に関する製品の性能
- 横軸:もう一つの特性をに描く
- それら二つの特性に、対する製品性能を示すプロット曲線になる。
41) トレードオフプロセス(trade-off process)
- 『製品及びその性能特性』に対して、設計の代替案の間で『顧客、技術及び経済的な関係』を確立する、トレードオフ曲線を作成し、使用する方法論。
その他の章
他の章の詳細は、下記のリンクから参照ください。
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