第5章リーダーシップ(経営者の責任)のどの辺?
『第5章リーダーシップ(経営者の責任)』3つ目の箇条です。今回は、IATF箇条の(5.1.1.2)プロセスの有効性及び効率に関する要求の説明に入ります。
SO | 5.1 | リーダーシップ及びコミットメント | |||||||||||||||
ISO | 5.1.1 | リーダーシップ及びコミットメント(一般) | |||||||||||||||
IATF | 5.1.1.1 | 企業責任 | |||||||||||||||
IATF | 5.1.1.2 | プロセスの有効性及び効率 | |||||||||||||||
IATF | 5.1.1.3 | プロセスオーナー | |||||||||||||||
ISO | 5.1.2 | 顧客重視 | |||||||||||||||
ISO | 5.2 | 方針 | |||||||||||||||
ISO | 5.2.1 | 品質方針の確立 | |||||||||||||||
ISO | 5.2.2 | 品質方針の伝達 | |||||||||||||||
ISO | 5.3 | 組織の役割、責任及び権限 | |||||||||||||||
IATF | 5.3.1 | 組織の役割、責任及び権限(補足) | |||||||||||||||
IATF | 5.3.2 | 製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限 |
前箇条のおさらい/思い出し
前回は、IATF箇条の(5.1.1.1)企業責任を説明しました。内容は、ISO(5.1.1)経営者が実施すべき事に、追加する内容でしたね。経営者は、きちんと企業責任を果たしましょう。果たすべき内容は、何なのか?具体的に要求事項が記載されていました。
最近流行りの聞いた言葉、『コンプライアンス』とか、横文字の名前ね。要は、会社として、倫理に反する事やインチキな商売するなと言う事でしょう?
簡単に言うと、そう言う事です。経営者は、自社のコンプライアンス方針を決め、具体的に社内へ周知させ、責任と権限を与えた部署が、それぞれ違反していないのか?経営者は監視する責任が有るんですね。
今回紹介する、『(5.1.1.2)プロセスの有効性及び効率』 の内容もISO(5.1.1)経営者の責任へ、IATFとして、追加する内容です。自動車産業メーカーは、ISOより更に踏み込んだ要求を経営者へ求めています。それでは、下記に、『(5.1.1.2)プロセスの有効性及び効率』を私がどのように記載したのか、文面を紹介します。
QMSに書いてみよう♪⇒IATF(5.1.1.2)プロセスの有効性及び効率
私は、対訳本(5.1.1.2)の文書を下記の様にまとめました。
その前に、製品実現プロセスって、具体的にどういう事?プロセスって言おう言葉もわかるようなわからない様は、ごまかした横文字だよね?ハッキリ日本語で知りたいな。
そうですね。ISOやIATFでは、欧米用語を使っているので、やたらプロセスと言う言葉が出てきますので、ハッキリ単純に説明しましょう。簡単に言うと『仕事の流れ順序』です。
じゃー製品実現プロセスって、自分の工場で製品を生産していく順序の流れを言っているの?いままで、品質保証工程図ってのが、その製品造りの流れが書いてあったよね?それの事かい?
考え方の理屈は有っているんですが、ちょっと範囲が狭いですね。もちろん製品生産も含まれていますよ。だけど、ここで言っているのは、会社活動の全体、営業受注⇒設計⇒生産準備⇒顧客へ納入⇒市場の反応まで、幅広い企業活動の流れで=プロセスの監視を経営者へ求めています。
そう言う事か。確かに会社は、お客から仕事を貰うために顧客へ営業活動して、それから社内設計と各社内部署で、バトンリレーの様に仕事が流れていくね。
そうです、その流れをプロセスって言うんですね。その営業活動で得た、お客の製品要求事項と守るべき法律、規制も合わせて、世の中に違法な製品や顧客が要求していないスペックの製品を作っていないのか?設計段階から、経営者はしっかり、仕事の節目節目で、手抜き仕事をしていないか?確認しなさいとIATFは言っています。
昨今の法令違反や試験結果改竄の大リコールを防止する為ですね?(5.1.1.1)で言っていた、企業責任コンプライアンスとも関係あるね。そう言う事でしょう?
そうです。良く分かりましたね。実は、『製品必現プロセス』は、IATFで指定された5コアツールと言うルールを使って、社内で監視する事が、義務化されています。それは、APQPと言う手法です。詳細は、別の機会に説明します。内容が、非常に細かいので、長くなります。APQPを使って監視するとおぼえておいてください。
それでは、私のQMSに記載した文面を下記に記載したので、ご覧ください。
1)製品実現プロセス及び支援プロセスのレビュー
経営者は、当社の『製品実現プロセス』の有効性及び効率を評価し改善するために、『製品実現プロセス』及び『支援プロセス』を当社が定める『APQP規定』で示す、各Phase毎のレビューを実行しなければならない。2)プロセスレビューの結果
プロセスレビュー活動の結果は、毎年定期的に実施される、『品質会議』や『マネジメントレビュー』を実施する時に、確認事項として、そのプロセスの結果をインプットとして、含めなければならない。
(箇条9.3.2.1;マネジメントレビューへのインプット-補足 参照)”
対訳本の原文とは違い、1)、2)と箇条書きに編集。より具体的に、何をどのように監視するのか?明確にしています。この箇条で言いたいのは、5コアツールのAPQPを社内で導入し、その活動の節目節目で、経営者は責任をもって、社内目標、顧客要求事項、法令等の重要事項に問題が無い事を確認した証拠を求められています。
新製品を受注したら、1製品プロジェクトをどうやって製品化して、量産、販売、市場へとするプロセスの事だと、良く分かったよ。
そんで、『支援プロセス』は、社内の営業や購買部門、試験部門、ひQA部門、物流部門とか、製品プロジェクト時に関わる業務をする部署の仕事の流れだね?その内容も経営者は、監視しなければならないのね。
と言う事は、どっかの部署が、仕事の流れで、何かお湯旧事項をインチキして、自社製品が、リコールした時、経営者が、知りませんでした。部下がやった事です。とか言い逃れ出来ないね。
そう言う事です。IATFは自動車メーカーが、自動車部品メーカーの経営者にしっかり、開発段階からインチキしていないか?管理しなさいと言っているんです。そしてその方法も具体的にAPQP手法と言う細かいルールが有ります。その通りに実施する必要が有るんですね。
今回の箇条(5.1.1.2)プロセスの有効性及び効率紹介は、ここまでです。
対訳本の個人的な見解として書いています。皆さんの見解と異なる、若しくは誤っている場合も有るので、他の人は、こんな風にやっているんだという視点で見ていただければと思います。引き続き、日追って各箇条を追加していきますので、宜しくお願い致します。