IATF16949&ISO9001の要求事項解釈/ISO(5.1.2)顧客重視

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第5章リーダーシップ(経営者の責任)のどの辺?

『第5章リーダーシップ(経営者の責任)』6つ目の箇条です。今回は、ISO箇条(5.1.2)顧客重視に関する要求の説明に入ります。

ここでのポイントは、顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項』『リスク(不確かな影響)及び機会(チャンス)『顧客満足度』のキーワードにどのように関わるか?です。

要求事項は、経営者は、きちんと社内の仕事が、顧客要求や法令違反していないか?しっかり確認せよと言っています。

SO 5.1 リーダーシップ及びコミットメント
ISO 5.1.1 リーダーシップ及びコミットメント(一般)
IATF 5.1.1.1 企業責任
IATF 5.1.1.2 プロセスの有効性及び効率
IATF 5.1.1.3 プロセスオーナー
ISO 5.1.2 顧客重視
ISO 5.2 方針
ISO 5.2.1 品質方針の確立
ISO 5.2.2 品質方針の伝達
ISO 5.3 組織の役割、責任及び権限
IATF 5.3.1 組織の役割、責任及び権限(補足)
IATF 5.3.2 製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限

前箇条のおさらい/思い出し

前回は、IATF(5.1.1.3)プロセスオーナーの紹介でした。

経営者は、

  • 会社業務の各プロセス=部署の責任者を任命する。
  • 各プロセス=部署に必要な能力の明確化と能力評価が必要。

と言う内容でした。

また、ISOじゃ不足だからIATFとして、『(5.1)経営者の責任』の要求事項へ、追加していると言う事でしてね。

今回の箇条ISO(5.1.2)顧客重視は、ISO箇条です。経営者へ求める基本的な要求事項ですので、引き続き、主語は、リーダーシップ及びコミットメントです。簡単に言うと『経営者は、ほにゃらら~』ですので、頭にイメージして理解してください。

SO 5.1 リーダーシップ及びコミットメント
ISO 5.1.1 リーダーシップ及びコミットメント(一般)
IATF 5.1.1.1 企業責任
IATF 5.1.1.2 プロセスの有効性及び効率
IATF 5.1.1.3 プロセスオーナー
ISO 5.1.2 顧客重視
ISO 5.2 方針
ISO 5.2.1 品質方針の確立
ISO 5.2.2 品質方針の伝達
ISO 5.3 組織の役割、責任及び権限
IATF 5.3.1 組織の役割、責任及び権限(補足)
IATF 5.3.2 製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限

QMSに書いてみよう♪⇒ISO(5.1.2)顧客重視

私は、要求事項の対訳文を以下の様にまとめてみました。

経営者(トップマネジメント)は、

  • 下記のa)~c)の事項を確実にする事実行する。
  • そして、顧客重視に対する、リーダーシップ及びコミットメントを実証しなければならない。

a)『 顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項』を明確にする。そして、内容を理解し、一貫してそれら適用される『顧客要求事項及び適用される法令及び規制要求事項』を満足させなければならない。

b) 『製品及びサービスの適合』、並びに、『顧客満足を向上』させる能力に、影響を与え得る、『リスク(不確かな影響)及び機会(チャンス)』を決定し、取組んでいる。

c) 顧客満足向上の重視が維持されている。

簡単に言えば、経営者は、会社の代表なんだから、約束事を守る事を監督する責任が有ると言う事ね?

はい、その通りです。

過去に他の箇条で説明した、外部利害関係者との守るべき事を明確にすると有りましたね?更に、製品実現プロセスでも、顧客要求事項が適合されているか?監視留守システムAPQPの利用を要求されていました。

けど、『 顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項』って、色々あるよね?どこの部署が、どの様に明確に文書化して、どの様な方法で、適合性を確認するのか、社内で管理システムや確認会議など決めないと実行できないよ?

そうですね。QMSは、会社の憲法なので、『何々をやります』と宣言する文章で書いています。実際に、それを実行する為の方法説明書は、2次文書の規程文書へ記載する事に成ります。更に必要であれば、3次文書の手順書を作成し、記載します。

じゃー、具体事例を教えて!

<顧客要求事項及び法令の明確化>

例えば、製品実現プロセスで、『 顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項』と言えば、営業部門が、受注確定した後に、顧客から製品要求事項の様々情報を受け取り、社内の担当部署へ情報展開をします。但し、新規製品はプロジェクトチームで部門横断で実施します。APQPシステムに則って、仕事を進めます。その初期段階で、顧客の要求事項や法令、特殊条件を明確にしてから、設計に入ります。

以下が、顧客から貰う要求事項の情報文書になります。

  • 取引先の為の品質マニュアル(SQM)
  • 構想図面及び製品要求事項
  • 設計技術要件集
  • 試験技術要件集

<要求事項の満足の確認>

製品実現化プロセスであれば、APQPの各Phase(段階)で、そのPhaseで、満足しなければならない、要求事項及び法令が有ります。その確認会を実施し、経営者が承認しないと、次のPhaseに進めない仕組みに成っています。

<顧客満足>

顧客満足は、新規製品プロジェクトが進む各Phaseで、開発計画に対し、何度も設計ミスで顧客から承認されない、試作製品を顧客に収めてもスペックNG等々が有れば、顧客満足が低いと判定しなければならない。量産後も納入品が品質不良が多い、納期遅延が有れば、当然顧客満足度が低いですね?そうすると反省の場と改善する行動が必要に成ります。

それぞれのプロセスオーナー(部署)が、顧客要求を満足する指標を決めて、きちんとデータをまとめるシステムを社内で構築し、経営者へ定期的に報告する会議や、マネジメントレビュー等々の反省する場が必要である。

結局、仕事が、要求される様々な条件に合格したよ!と言う記録と、それを経営者が承認するシステムの中で動かすと言う事だね。更にリスクも考えて、未然に対策し、チャンス(利益や顧客満足、次回の受注等々)も達成できるように経営者は、自分たちの会社の仕事の結果を理解せよと言う事ですね?

大体そんな感じです。世の中に自社製品を出してからの反省は、当たり前です。しかし、もっと上流の製品開発段階で、リスクを減らし、開発段階の顧客コミュニケーションでも顧客満足をさせる事が、重要です。

 

今回の箇条(5.1.2)顧客重視の紹介は、ここまでです。

対訳本の個人的な見解として書いています。皆さんの見解と異なる、若しくは誤っている場合も有るので、他の人は、こんな風にやっているんだという視点で見ていただければと思います。引き続き、不定期に各箇条を追加していきますので、宜しくお願い致します。

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