IATF16949&ISO9001の要求事項解釈/IATF(4.4.1.2)製品安全

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第4章のどの辺?

『第4章組織の状況』も残り2箇条です。今回は、(4.4.1.2)製品安全の説明に入ります。

 

尚、其の他のISO9001及びの条項を確認したい方は、以下のリンクで、見たい箇条を確認してください。

https://senbeiasia.com/category/manufacturing-knowledge/

 

ISO 4.1 組織及びその状況の理解
ISO 4.2 利害者関係のニーズ及び期待の理解
ISO 4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
IATF 4.3.1 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定(補足)
IATF 4.3.2 顧客固有要求事項
ISO 4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス
ISO 4.4.1 品質マネジメントシステムの確立・実施・維持・継続的改善の要求
IATF 4.4.1.1 製品及びプロセスの適合
IATF 4.4.1.2 製品安全
ISO 4.4.2 品質マネジメントシステムに関する文書化した情報に関する要求

前箇条のおさらい/思い出し

前の箇条は、(4.4.1.1)製品及びプロセスの適合 でしたね?

覚えてますか?QMSと言う会社のルールには、

  • サービス部品(事故等の補修用部品として注文される自動車メーカーへ納入する自社部品等)
  • アウトソース(外部委託生産、外部委託設計、外部委託試験等々の業者)したものを含む。

を管理できるQMSを作りなさいと言う話でした。

QMSとは、会社の憲法なんだよね。箇条4.4シリーズは、QMSの記載すべき範囲をやたら説明している事は、分かった。今回の(4.4.1.2)製品安全っていうのもQMSに追加で、管理範囲に入れなさいって言う事ね。

はい、その通りです。しかも、ISO9001では要求していない、IATF16949要求事項です。

QMSに書いてみよう♪⇒IATF(4.4.1.2)製品安全

今回のTSからIATFの規格改定で追加された項目です。昨今の大リコール事件(エアバッグ等々)でのサプライヤー部品が原因でした。それらを懸念し、強化されたらしいです。設計段階からこれらの課題に取り込む事をIATFは強化しています。QMSへは、明確な文章で書く事が重要です。

会社組織は、製品安全に関係する、製品及び製造工程の運用管理に対する”文書化したプロセス”を持たなければ成らない。

a)~m)に該当するプロセスは、必ず、文書化する事。

但し、その事項にだけに限定されず、各プロセスに対して実行する事。

a) 法令・規制の製品安全要求事項の組織による特定
b) 顧客からのa)に関する要求事項の通知。
c) 設計FMEAに対する特別承認
d) 製品安全に関係する特性の特定
e) 安全に関係する製品特性及び製造時点での特性の特定及び管理
f) コントロールプラン及び工程FMEAの特別承認
g) 対応計画(9.1.1.1参照)
h) 定められた責任、トップマネジメントを含めた上申プロセス及び情報フローの明確化、並びに顧客への通知
i) 製品安全に関係する『製品及び関係する製造工程に携わる』要員に対する、組織又は顧客によって、特定された教育訓練
j) 製品及び工程の変更時の評価方法は、『箇条8.3.6;設計・開発の変更』を踏まえた、製品安全に関する潜在的影響評価含める事。また、変更実施前に承認しなければならない。
k) 顧客指定の供給者(Supplier)『箇条8.4.3.1;外部供給者に対する情報参照』を含む、サプライチェーン全体にわたって製品安全に関する要求事項の連絡。
l) サプライチェーン全体にわたって、(最低限)製造ロット単位での製品トレーサビリティー。
(箇条8.5.2.1;識別及びトレーサビリティー参照)
m) 新製品導入に活かす学んだ教訓。

“注記)
f)項記載の”特別承認”が可能な権限者は、安全に関係する文書の責任を持っている者が承認可能。
従って、通常の承認権限は、顧客になる。”

a)~m)に書いている内容は、製造業なら従来実施してきた内容が殆どです。初めての事では無いですね?製造での管理と言うよりは、もっと前段階の設計時に、しっかり実施する要求内容が充実しています。後の第8条で、その細かい要求が関係してきます。ここでの強調するポイントは、リコールにつながらない様に、製品の安全を初期段階からしっかり考慮せよと言っています。

文書化したプロセスとは、タートル図と言う手法を用いて、各部門部署の業務プロセスを『インプット、アウトプット、ほうほう、どの程度、どの様に、材料・設備』で表現する図です。IATF認証取得前に、必ず、認証会社から事前提出資料で求められます。必ず、QMSと別紙で作成しましょう。

 

今回の箇条紹介は、ここまでです。

対訳本の個人的な見解として書いています。皆さんの見解と異なる、若しくは誤っている場合も有るので、他の人は、こんな風にやっているんだという視点で見ていただければと思います。引き続き、日追って各箇条を追加していきますので、宜しくお願い致します。

 

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