第6章計画 のどの辺?
『第6章計画』 5つ目の箇条です。今回は、IATF箇条の(6.1.2.2)予防処置 に関する要求の説明に入ります。
ISO | 6.1 | リスク及び機会への取組み | |||||||||||||||
ISO | 6.1.1 | リスク及び機会を決定 | |||||||||||||||
ISO | 6.1.2 | 取組むべきリスク及び機会に対する計画 | |||||||||||||||
IATF | 6.1.2.1 | リスク分析 | |||||||||||||||
IATF | 6.1.2.2 | 予防処置 | |||||||||||||||
IATF | 6.1.2.3 | 緊急事態対応計画 | |||||||||||||||
ISO | 6.2 | 品質目標及びそれを達成する為の計画策定 | |||||||||||||||
ISO | 6.2.1 | 品質目標の設定に関し、品質目標が具備すべき内容 | |||||||||||||||
ISO | 6.2.2 | 達成計画で決定すべき事項 | |||||||||||||||
IATF | 6.2.2.1 | 品質目標及びそれを達成する為の計画策定(補足) | |||||||||||||||
ISO | 6.3 | QMS(品質マネジメントシステム)変更の計画 |
前箇条のおさらい/思い出し
前回は、IATF箇条(6.1.2.1)リスク分析でした。ISO箇条(6.1.2)で紹介したリスクに対して、自動車業界として、リスクの決定は、分析手法を用いなさい。と自動車業界として強調されました。
ISO箇条(6.1)は、リスクと機会へどの様に取り組むのか?それに対する細かい事を後の箇条で、個別に説明している事を再度頭の中に、主語として残してください。各箇条をピンポイントで見ていると、いったい何の要求なのか?理解できなくなるので、要注意です。
いつも見失うんだよね?この箇条はいきなり何言ってるんだろう?ってね。主語が無いんだよね。だから必ず、前の前の箇条を再度見ないと、話の流れが繋がらないですね。
そうです。さて、今回のIATF(6.1.2.2)予防処置は、リスク分析(FMEA)でRPN(リスク係数)を下げる為に、どの様に予防対策をじっしするのか?その事が要求されています。それでは、IATF箇条(6.1.2.2)の説明に進みましょう。
QMSに書いてみよう♪⇒IATF(6.1.2.2)予防処置
私は、ISO対訳文を下記のように独自編集してQMSに記載してみました。皆さんのQMS文面作成時の参考にしてみてください。
1)不適合の原因除去処置のルール決定
当社は、『発生の可能性が高い不適合(優先順位が高い)』に対する、不適合発生防止の為に、その根本原因を除去するルール方法を確立し、実行しなければならない。2)予防処置の優先順位
予防処置は、発生し得る問題の重要度(優先順位)に応じて決定する。3)リスク現状プロセスの確立
当社は、次のa)~f)事項を含む、『リスク発生及び影響を減少させる為の手法及び運用ルールプロセス』(社内運用規程)を確立する。a) 発生し得る不適合及びその原因の特定を 『FMEA、QRQC(問題対策表)』等の分析手法を用いる。
b) 不適合の発生を予防する為の処置の必要性の評価『 FMEA』等を用いる。
c) 必要な処置の決定と実施は、『 QRQC(問題対策表)』等を用いる。
d) 対策した処置の文書化した情報は、 『過去トラ記録』を用いる。
e) 採用した予防処置の有効性の確認は、 『QRQC等』を用いる。
f) 類似プロセスでの再発防止は、『過去トラ記録』を用いる。(ISO9001の7.1.6参照)
IATF規格対訳に記載の文面では、ハッキリわからないと思うので、大幅に文面表現を変えてみました。
対訳本の日本語は変な表現で、意味不明だったからね。これで、すっきりわかるよ。
皆んさんにお願いしたいのでは、別途FMEAをよく理解してください。この分析手法を知らないと、リスク分析が出来ません。発生する前に、未来に発生の可能性が有る、過去にトラブルの発生経験が有る事をインプットとして、FMEAを実施する必要が有ります。
対策の効果確認も強調されています。対策の内容にもよりますが、毎週、毎月なのか?その対策内容により、対策期間を決める仕組みも必要です。一般的には、問題対策表を用いい、対策日から指定した頻度、期間を設け、対策の妥当性を検証し、効果が無ければ、再度対策実施するPDCAを実行する必要が有ります。
水平展開、過去トラもTS時代から実施していたね。IATFでも同様に、1問題に対して、類似のプロセスに水平展開する事を強調しているね。
そうです。初めてやる考え方でなく、製造業として当たり前の開発段階での予防処置。過去に学んだ不適合=過去トラのFMEAへの利用。そして、プロセスや製品の運用後の不適合に対する対策活動の妥当性確認を強調しています。これらを社内で解決する運用ルールの確立が重要です。
具体的には、どんな予防処置の社内ルールの整備が必要かな?
実務的な事例で話すと一般的な会社は、『予防処置』、『設計FMEA』、『工程FMEA』、『不適合発生時の対応QRQC』、『過去トラ運用』、『設計要件集』、『APQP』等々の規程文書をリンクさせ構築すると思います。
今回の箇条紹介は、ここまでです。
対訳本の個人的な見解として書いています。皆さんの見解と異なる、若しくは誤っている場合も有るので、他の人は、こんな風にやっているんだという視点で見ていただければと思います。引き続き、日追って各箇条を追加していきますので、宜しくお願い致します。