IATF16949:2016とは何の略語?目的は何?

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はじめに

この記事では、

  • IATF16949と言う名称の疑問を持つ人。
  • 自分の会社が認証取得しているけどなんだかさっぱりわからない人。
  • 何となく知ってるけど、その生い立ちが謎だと思っている人。

そんなもやもやの疑問が解消出来たらと思い、書いてみました。『悩むオジサン自称IATF詳しいビジネスマン』の雑談方式で、表現しています。実際、製造メーカー側の社員の視点から書いています。審査会社やコンサルタントとのセミナーや参考書よりわかり分かりやすいと思います。

(注)個人的な解釈も含まれているので、雑談の参考程度に受け止めて、読んでいただければと思います。

IATF16949の要求事項の簡単説明を知りたい人は、こちらの記事を参照ください!

IATFとISOはなんの略語?

IATF16949って、何なの?暗号みたいな名前だな?そもそもどういう意味なの?ISOってのは、よく見かけるけど。違いは何?

IATFとは、『International Automotive Task Force=国際自動車産業の有志による会議体』という頭文字の略称何です。

ISO9001と何が違うの?

基本ベースは、全く一緒です。それにプラスして書き加えたのが、IATF16949です。

ISO9001は品質規格で、家電、建設とか色々な業界が共通で使える規格。IATF16949は、自動車部品製造業界専用の品質規格なんです。

それで、IATF16949の規格構造が、例えば、かつ丼が有るとします。白米の部分が、ISO9001。卵カツの部分がIATF16949。それが合わさって、IATF16949規格に成ります。そんなイメージで頭に記憶してください。詳しい説明は、のちほど。

ついでにISOの略称も説明すると『International Organization for Standardization=国際標準化機構』と言います。スイス・ジュネーヴに本部を置く、非営利法人です。国際標準化機構とは、色々な世界の標準(ISO規格)を定める団体で、世界162カ国がISOという機構に加盟しています。日本も加盟しています。

TSからIATFの変化

ほう~。ISO9001は、2015年に大改訂され、『ISO9001:2015』と表記が変化したのはわかるんだけど、何でISO/TS16949は、TS⇒IATFに変わったの?なんか変。どうして?

そうですね。理由が有るんですよ。先ず、旧TSは、頭にISOがプラスされていますね?正式名称は、ISO/TSです。TSは技術仕様(Technical Specification)それで、以前は、かつ丼として、白米(ISO)+卵カツ(TS)が、同じ丼にかつ丼として1冊の規格本に成っていたんです。だから、名称がISO/TS16949でした。ところが、今回は、わざわざ、単品メニューにしています。白米(ISO)とIATF(卵カツ)が別個にしています。本がISOの規格本とIATFの規格本2冊に成るんですね。今回、2015年にISO9001が大改訂され、1年ずれてTSがIATFとして生まれ変わりました。どうもISO組織と自動車団体のIATF組織がうまく調整されなかったので、分離されたんでしょうね。簡単に言うと規格を作っている組織同士の融通が利かなかったって事ですね。大人の事情ですね。利用する企業側は、大迷惑なだけで・・・・。

仕事を合理的に改善する為のルールを作っている国際組織が、一番非合理な使いにくい不効率化をやっているんだね。全く。結局TSの時は1冊の規格本買えばよかったのが、今度は、ISO9001とIATF16949の計2冊買わないと、IATF16949の物語内容が分からないと言う事ですな?

ハイ、そう言う事に成ります。残念ですが・・・・。

では、今説明した謎の略英語の言葉を一旦整理しましょう。

  • ISO:International Organization for Standardization=国際標準化機構
  • TS:Technical Specification=技術仕様書
  • IATF:International Automotive Task Force=国際自動車産業の有志による会議体

スッキリ日本語で、意味を理解できましたね。

IATFの組織のメンバーは何者?

そうすると、ベースのISOが国際的代表の集まりの感じはわかるけど、IATFは、何の集団なの?自動車産業の有志って何?

IATFは、日本語で『自動車産業の有志の会議体』。もっと俗的な言い方すると、世界の大手自動車メーカーの集まり。政治の世界ならG7見たいな感じですね。先程、かつ丼を例えて説明しましたが、ISOを政治の世界で例えるなら国連。IATFはG7。てなイメージかな。

ほう~。イメージわいてきましたね。じゃーそのIATF=G7のメンバーって誰なの?

それは、自動車メーカー9社: GM,フォード,クライスラー,ダイムラー,フォルクスワーゲン,BMW,フィアット,ルノー,プジョーシトロエン
自動車産業団体5団体: 米(AIAG),独,仏,伊,英で構成されています。いわゆる、各国のお役所ってとこですか。

おや?日本勢が居ませんよ?どういう事?自動車業界のG7に日本は言って無いよ?なぜ?世界の自動車業界のTOPは、日本なのに、なんで組織に日本んが不参加なの?

私も審査会社の有る審査員から昔、聞いた話なんですが、TSが出来る時代2000年頃、規格を作る集団に、日本の自動車メーカーや経済産業省も『International Automotive Task Force=国際自動車産業の有志による会議体』にオブザーバーだか何だかわからないけど参加していたらしいですよ?今回もその流れで、日本は不参加なのでは?

(注)ほんとかどうか知りませんが。聞いた話です。間違っている可能性も有るので、仮説で聞き流してください。

この規格って、欧米自動車メーカーが、日本の自動車メーカーが作り上げたマネジメントシステムを模倣しているだけなんですね。ちょっと言いすぎかな・・・。改善思想や統計的手法も全て日本の手法ですね。ISO9001のレベルでは、管理が甘いと言う事で、欧米自動車団体は、日本の自動車メーカーのマネジメントシステムを付け加えたのでは?と考えられます。TSが出来る時代は、日本自動車メーカーが世界中で高品質№1の安い車で世界のマーケットで成功していました。欧米自動車メーカーは、悔しくて、自分達の会社を日本式のマネジメントシステムにして日本へ対抗しようとしたんだと思うんですよね。欧米人はプライドが高いので、規格を作る時に、委員会で、日本メーカーと言う先生が、口だすのが、面白くなかったのでしょうね。欧米メーカーは・・・・ですね。まー色々あったんで、日本も馬鹿らしくて、遠巻きに相手にしなかったのでは?そもそも日本の自動車メーカーのマネジメントシステムは昔からIATF以上に厳しいマネジメントシステムですから、欧米中心のわけのわからない文脈のシステムを入れる価値はなかったんだと思いますね。

IATF認証取得する目的とは?

ふ~ん。だけど、なんで今は、日本の自動車部品メーカーは、皆IATF認証取得を必死にやっているの?欧米の規格だから日本は関係ないのでは?

本来のISOもIATF規格の目的は、会社の業務プロセスをPACAを回して、会社を良くしていこうと言うマネジメントシステムですね?けど、それは建前で、別の美味しい事が有るのでは?

はい、その通り。先ず、仰ってた『欧米規格だから日本は関係ない』と言う部分。グローバル化していない、日本の自動車メーカー1社専属納入している様な会社であれば、IATFの取得必要性は無いです。取引先自動車メーカーが作成したSQM(協力メーカーの為の品質保証基準)を自社が貰って、その通りにマネジメントシステムで、仕事をすれば良いだけなんです。せいぜい、ISO9001の取得で十分。

そうでしょう。じゃーIATFなんて面倒な規格要らないよ。ISO9001だけでいいや。

だけど、ちょっと待ったです。

それが、仰っていた『会社を良くしていこうと言うマネジメントシステムですね?けど、それは建前で、別の美味しい事が有るのでは?』と言っていた部分。それは、外国の自動車メーカーと取引する為に有意な条件の一つだから取得をしたいのです。

現代は、多くの中小企業も日本の自動車メーカー1本で取引をしている会社は殆どありません。昔は、系列企業と言って、どこかの自動車メーカーにぶら下がりの仕事でした。今は、日本の自動車メーカーの購買方式は大きく変わり、海外の部品メーカーからも仕入れ、価格競争で常にサプライヤーチェンジがされていきます。今は、昔からの付き合いで、仕事をくれません。

よって、日本の部品メーカーも日本の自動車メーカーだけでなく、海外の自動車メーカーにも部品を受注し、売らなければ経営が成り立ちません。

そうか~。確かに多くの部品メーカーは、中小企業でも中国やアジアに工場ありますね。現地の日系だけでなく、ローカル自動車メーカーにも自社の製品を販売していますね。

そうなんです。思い出してください。日本以外の自動車メーカーと取引するには、IATF持ってないと、基本取引できないんです。

ええ!なんで。こんがらかって来たな~~。

話を思い出しましょう。先程、IATFを企業が取得する裏の目的は、外国自動車メーカーと取引したいからです。

話を整理すると、そもそもISOは、国際標準化委員会ですね。これをやる意味は、国際的に管理ルールをどこの国も共通にしましょうよ!と言う事です。昔は、それぞれの国、各会社でみんな独自のルール。そうなると自分の会社が、例えば3つの取引する国、会社が異なったルールだと会社取引の手間と管理コストが、高くなりますね。不効率何ですね。だから、IATFとして、欧米は各自動車メーカーのマネジメントシステムを共通化ルールを決めたわけです。

各自動車メーカーのルール統一するメリット

なるほど~。ルールを統一したらどこと取引しても取引ルール同じだから、部品メーカーは助かるね?ISOは国際標準化委員会だねー。名前の通りだ。ん~でIATFは何だっけ?さっき聞いたけど忘れた。

思い出してくださいね。IATFは、欧米自動車の集まり。GM、クライスラー、フォード、ルノー、ベンツ等々。先ほども言いましたが、要するに、欧米自動車メーカーのマネジメントシステムは共通化したよって事です。例えば、自分が部品メーカーとして、アメリカのGMとフランスのルノーと取引するとします。彼らが自分の会社へ求める取引ルールのマネジメントシステムが、共通で、仕事がしやすいと言う事に成ります。その為に、IATF認証取得を取っていれば、自分の会社は、欧米自動車メーカーのマネジメントシステム理解した免許証持ってますよ~とアピールできるので、営業活動で、仕事がもらえる第一歩になるんです。

なるほど、IATFの認証を会社が取得すれば、欧米自動車メーカーと取引できる第一歩にもなるんだね。自分の会社のグローバルで拡販する為には、IATFは必須なんですね。

はい、その通りです。やっと分かっていただけましたね。

ただ、自動車メーカーと一次取引なら必須ですが、二次下請け等は、多少持って居なくてもISO9001持っているレベルなら取引してもらえましたが、今は、2次下請けでもIATF取得が無いと取引は厳しい状況です。IATFは、自動車産業で企業取引するには、非常に重要な認証取得となっています。

以上、IATF16949:2016の簡単な説明を終わりにします。具体的な要求事項の内容は、今後、作成していく、別記事で、ご参照ください。

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