IATF16949&ISO9001の要求事項解釈/IATF(10.2.3)問題解決

 

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第10章 (パフォーマンスの評価)運用 のどの辺?

『第10章 (改善)』ここからISO及びATFの最終章。

 

今回のご紹介は、『IATF(10.2.3)問題解決』のご紹介に成ります。

ISO 10.1 改善(一般)
ISO 10.2 不適合及び是正処置
ISO 10.2.1 外部及び内部不適合発生時の実施事項
ISO 10.2.2 不適合及び是正処置の記録保管
IATF 10.2.3 問題解決
IATF 10.2.4 ポカヨケ
IATF 10.2.5 ワランティー補償管理システム
IATF 10.2.6 顧客苦情及び市場不具合の試験・分析
ISO 10.3 継続的改善
IATF 10.3.1 継続的改善(補足)

本題に入る前に前箇条の思い出し

前箇条の紹介は、『ISO(10.2.2)不適合及び是正処置の記録保管』でした。ISO9001としての内容です。

 

ポイントは、『ISO(10.2.2)不適合及び是正処置の記録保管』を簡単に言うと、ISO(10.1)と(10.2)で要求した内容で是正処置(対策活動)した記録は、記録フォーマット作って、記録文書として管理しなさい!』の内容でした。

 

分からない人は、下記リンクからおさらいしてください。

IATF16949&ISO9001の要求事項解釈/ISO(10.2.2)不適合及び是正処置の記録保管
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<思い出しワンポイント>

第10章は、PDCAのA(アクション)の部分です。

 

第10章は、第9章チェックした事に対して、改善活動を実行するプロセスを要求しています。

今回の記事は、第10章の5番目。

品質マニュアル作成事例⇒IATF(10.2.3)問題解決

品質マニュアル作成用として、私の独断と偏見で、書いています。

 

皆さんの品質マニュアル作成の参考に成れば幸いです。  

1)問題解決プロセスの構築

当社は、問題解決の取り組み方を『QRQCシステム』にまとめ、規程文書に文書化する。その文書化には、下記の要素を含んだシステムを構築する事。

a) 問題のレベル区分

  • 発生した問題の「種類(タイプ)」及び「重要度・規模」で、区分した問題解決の取り組み方を構築する。

事例として、

  • 新製品開発(APQPのPhase1~4の開発段階)
  • 量産中製品(APQPのPhase5の量産中)
  • 市場不具合
  • 外部及び内部監査結果からの指摘事項

b) 不適合のアウトプット(箇条8.7参照)

  • 『ISO箇条8.7不適合のアウトプット』シリーズに示す、初動の不適合の管理活動を明確な処理フローで規程文書化する。先ず、顧客への被害を最低限に抑える事を優先する。
  • また、必ず、下記に示す各箇条を含めた総合的仕組みにする事。

ISO 8.7.1 誤使用と流出防止の識別管理
IATF 8.7.1.1 特別採用に対する顧客の正式許可
IATF 8.7.1.2 不適合成品の管理-顧客規定のプロセス
IATF 8.7.1.3 疑わしい製品の管理
IATF 8.7.1.4 手直し製品の管理
IATF 8.7.1.5 修理製品の管理
IATF 8.7.1.6 顧客への通知
IATF 8.7.1.7 不適合成品の処分
ISO 8.7.2 不適合に要求する記録情報文書化

c)問題解決の分析手法

  • 問題は、発生及び流出の2つの観点で、なぜなぜ分析により根本原因まで、深掘りする事。必ず三現主義で、不具合の再現まで行う事。

d) 水平展開

  • 自社内及び外注下請け企業も含めた、発生した問題と類似製品や生産プロセスの有無を確認する。それらも同様の是正処置を行う。

e) 是正処置の有効性の検証

  • QRQCで実施された最終的な恒久対策は、任意の期間観察するルールを決め、是正処置(恒久対策)の有効性検証を実施する。その検証をする人員及びその最終判断者は、必要なスキルを持ち、責任を持てる管理者とする事。

f) 是正処置による関連文書の変更

  • 是正処置(恒久対策)を実施する事により、PPAP(例;PFMEA,コントロールプラン、検査規格、設備条件表等々)で作成した従来の内容と異なる事が発生する。それらの文書の変化点管理及び現場への配布と人員への教育も行う事。
  • 設計部門の自社設計基準の更新改定。過去トラ集の記録改定も行う事。

2)顧客指定の問題解決プロセス

顧客独自に規定された問題解決プロセスが有る場合は、当社は、その顧客独自の問題解決プロセス及びツールを使用する。当社の問題解決プロセスを使用する場合は、顧客の承認が必要。但し、その問題解決方法は、当社も顧客も原則同じ方法である。

<言葉の補足>

QRQCとは、「Quick Response Quality Control」の略語。製造現場以外の間接部門業務プロセスで発生した製品脂質問題、業務品質問題を総合的に、発生問題に取り組むシステムの事を指す。問題発生後「直ちに(24時間以内)」に部門横断で解決するための手法。

この『IATF(10.2.3)問題解決』は、簡単に言うと

『顧客から納品した製品からクレームの電話が来た!

  • 代品配送手配と不具合現品回収だ!
  • ついでにわかる範囲で詳しく客先で聞き込みだ!
  • 自社工場の生産中の製品と在庫品全数検査だ!
  • そんでもって顧客から不具合原因回収!
  • 届いたら関係部門集めて、生産ラインで原因分析!
  • 購入部品の不具合も考えられるからサプライヤへも連絡だ!分析結果から対策決めて、文書類直して教育完了!
  • 過去トラ登録もOK
  • 対策の効果確認
  • 問題無いからQRQC終了と言った流れの話。

これらを細かく、フロー化して、展開できる問題解決のプロセスを作る、製造業として、最も重要な部分です。

上記の品質マニュアル記載事例文に、私がオリジナルに追記しているISO8.7シリーズが、凄く関係しています。

 

必ず、理解して一体とした問題解決システムを構築する必要が有ります。

会社によっては、問題解決プロセスは、『異常処理規程』、『問題発生の為の処理規程』、『QRQC規程』とか様々な呼称が有るでしょう。

 

しかし、自動車部品製造メーカーであれば、『QRQC規程』として、総合的にまとめた方が良いと思います。

 

構築の仕方が分からない場合は、自動車メーカーが発行するSQM(仕入れ先の為の品質保証手冊)を見てみましょう。参考に成ります。

 

特に、日本の自動車メーカー以外の取引の場合は、IATFに即した問題解決プロセスが書いています。

日産ルノーが正にそうです。欧米系の大手自動車部品メーカーもそっくりに問題可決プロセスが書いていますので、対策書レポートが各社そっくりですね。

既にグローバルの時代、出来るだけ、大手自動車メーカーをお手本とした問題決プロセスをベースに自社運用に合わせたカスタマイズされると良いと思います。

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今回の箇条紹介は、ここまでです。

対訳本の個人的な見解として書いています。

 

皆さんの見解と異なる、若しくは誤っている場合も有るので、他の人は、こんな風にやっているんだという視点で見ていただければと思います。

 

引き続き、各箇条を追加していきますので、宜しくお願い致します。

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