IATF16949&ISO9001の要求事項解釈/IATF(8.1.2)機密保持

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第8章 (製品実現の為の)運用 のどの辺?

『第8章 (製品実現の為の)運用)』 (8.1)シリーズの最後に成ります。IATF(8.1.2)機密保持に関する要求の説明に入ります。

ISO 8.1 ”箇条6;計画”&”APAP”に関する運用の計画及び管理
IATF 8.1.1 ”箇条6;計画”&”APAP”に関する運用の計画及び管理(補足)
IATF 8.1.2 機密保持

前箇条のおさらい/思い出し

前回は、(8.1)シリーズの2番目IATF(8.1.1)”箇条6;計画”&”APAP”に関する運用の計画及び管理(補足)でした。

 

このシリーズの中心は、APQPを始めるぞ~と言うイントロ部分と私は個人的にとらえています。

 

なぜならISO及びIATFの規格構造は、PDCAで要求事項が構成され、第8章は運用=Doです。具体的な製品開発する為の要求事項が盛りだくさん書かれています。その出だしが、(8.1)シリーズです。

皆さん頭をリセットしてほしいのですが、IATFの規格はその箇条の部分だけ読んでも、その意味やるべき事が、理解できません。必ず、どこかの章で話したな内容の継ぎ足し文になっているからです。

ただでさえ、不可解な日本語翻訳の要求事項なのに、単体で箇条読んでもさっぱりわからないのは確かだね。

けど、(8.1)シリーズは、APQPの話だよ~と言ったのに、今回なぜIATFは、ISO(8.1)に追加で(8.1.3)機密保持なんて追加したの?それって、文書管理の所で話す内容では?

その通りですね。機密管理は、もちろん文書管理(7.5)シリーズの部分も関係します。それは、文書だけの範囲ですね。今回の機密保持の範囲は、文書管理だけでなく、もっと広い範囲。仕事場やデジタル情報セキュリティーも含まれるんです。

細かい話は、下記に紹介します。

QMSに書いてみよう♪⇒IATF(8.1.2)機密保持

私は、IATF対訳文を下記のように独自編集してQMSに記載してみました。皆さんのQMS文面作成時の参考にしてみてください。

当社の組織は、顧客と契約した開発中の製品及びプロジェクト、関係する製品情報の機密性を確実にする。

1)機密情報の該当内容

顧客が競合他社に知られては不都合な情報とは、

  • 顧客製品の開発日程
  • 新技術情報
  • デザインスタイリング情報
  • マーケティング情報
  • 開発コード番号
  • 図面及び各種仕様書、技術文書等の顧客文書

2)機密情報の管理すべき事

下記の機密管理のルールも具体化し、アクセス権限の制限及び情報の厳重管理する方法を明確化し、実行する事。(文書、データ、場所、物、生産現場設備等々)

  • 営業部門の部品取引契約の管理方法
  • 設計部門の業務エリアの管理
  • 試験及び実験エリアの機密管理
  • 図面及び技術文書管理エリア
  • 指定機密文書及び図面、CADデータの電子化された情報セキュリティーシステム(情報システム部門の機密保持も含む)
  • 工場内の生産現場設備、機密工程エリアの指定
  • サンプル品、物

本来のIATF対訳本は、たった一行の短文ですが、私は、独自に具体的にQMSにこう書かないとわからないと思い、書いてみました。あくまでも独自の見解です。

先に話しましたが、皆さん文書管理すればいいんだ!では不足です。それは、箇条(7.5)シリーズに含める話。ここでは、APQP活動のPhase1RFQ活動での営業が受注決定し、部品取引契約書、顧客からの様々な技術文書を取り扱います。

これらは、全て機密文書に該当しますね?Phase2では、Phase1の情報をインプットとして、設計部門を中心としたAPQPチームがそれぞれ、機密文書を取り扱います。それらが社内の適当な場所、適当な文書管理では、何時部外者や来客者に見られ、情報が漏洩するか?わかりませんよね?

間接部門(主に事務業務)の所は、指定された機密文書の保管場所、それを利用して仕事をする場所、機密文書を取扱いできる権限者等、明確にする必要が有ると言う事だね?

その通りです。それと忘れていけないのは、現場にも機密文書や技術的設備やサンプル生産工程も該当する場合が有ります。きちんと新製品開発段階で、もし顧客の機密保持に該当する取り決めが有るか?確認しリスト化し、具体的な現場エリアの制限を設ける事が必要になります。

試作工程とかもそうだね。色々な顧客と取引しているからA社の新製品ライン構築時に機密保持が必要な場合、となりのB社の量産ラインへ、B社が工場訪問時に、隣のA社の生産ライン見られたらNGだからね。

機密保持する対象は、紙文書だけと思いがちですが、電子データや、物や工場内の現場、各エリアも忘れずに機密保持管理をしましょう!

今回の箇条紹介は、ここまでです。

対訳本の個人的な見解として書いています。皆さんの見解と異なる、若しくは誤っている場合も有るので、他の人は、こんな風にやっているんだという視点で見ていただければと思います。引き続き、日追って各箇条を追加していきますので、宜しくお願い致します。

 

 

 

 

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