IATF16949&ISO9001の要求事項解釈/IATF(8.7.1.4)手直し製品の管理

品質マニュアル/内部監査、認証審査時のお役立ち情報

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第8章 (製品実現の為の)運用 のどの辺?

『第8章 (製品実現の為の)運用)』IATF(8.7.1.4)手直し製品の管理 に関する要求の説明に入ります。第8章も後半に入ります。

下表は、各箇条へ移動リンクに成ています。

ISO 8.6 製品及びサービスのリリース
IATF 8.6.1 製品及びサービスのリリース(補足)
IATF 8.6.2 レイアウト検査及び機能試験
IATF 8.6.3 外観品目
IATF 8.6.4 外部から提供される製品及びサービスの検証及び受入(購入品の受入検査)
IATF 8.6.5 法令・規制への適合
IATF 8.6.6 合否判定基準
ISO 8.7 不適合なアウトプットの管理
ISO 8.7.1 誤使用と流出防止の識別管理
IATF 8.7.1.1 特別採用に対する顧客の正式許可
IATF 8.7.1.2 不適合成品の管理-顧客規定のプロセス
IATF 8.7.1.3 疑わしい製品の管理
IATF 8.7.1.4 手直し製品の管理
IATF 8.7.1.5 修理製品の管理
IATF 8.7.1.6 顧客への通知
IATF 8.7.1.7 不適合成品の処分
ISO 8.7.2 不適合に要求する記録情報文書化

 

ISO,IATFの規格全体を見たい人は、こちらのリンクへどうぞ!

前箇条のおさらい/思い出し

前回は、IATF8.7.1.3疑わしい製品の管理でした。

ISO8.7シリーズは、非合格品に対する、対応管理に対する要求事項をIATFとして、求めています。

疑わしい製品は、合格検査の後、不安定な設備や検査機器を使用して生産された物や、何かしらの影響で衝撃を与えたり落としたり、長期放置在庫だった様な『これちょっともう一回検査しないと危険だな』と思われる製品。

 

そんな『怪しい製品』を管理する要求事項が書かれていましたね。

今回、紹介する箇条は、その『疑わしい製品』を修理して『合格品』に再生する為のルール要求事項です。

 

それでは、私なりの解釈を紹介していきます。

 

品質マニュアル記載事例♪⇒IATF(8.7.1.4)手直し製品の管理

私は、IATF対訳文を下記のように独自編集してQMSに記載してみました。皆さんのQMS文面作成時の参考にしてみてください。

 

★手直しの定義 管理すべき要素

  • 『手直し』とは、製品の要求事項に適合させるため、不適合となった製品又はサービスに対してとる処置の事を指す。
  • そして、『手直し』は、不適合となった製品の部分に、影響を及ぼす部分を変更する行為である。
  • 例;樹脂成型品のバリ除去、Assy状態調整、構成部品の脱着交換 等々

 

1)手直し実施前にFMEAでリスク分析判断の実施

  • 不適合品を手直しする判断の前に、手直し工程におけるリスク評価を実施する。その為、リスク分析(FMEAのような)を活用する。

 

2)手直し前の顧客承認

  • 手直し修正を開始する前に、顧客要求事項又は顧客から個別に要求が有る場合は、当社は、顧客承認を得る事。
    【8.7.1.1特別採用に対する顧客の正式許可】を参照

 

3)手直し品の検査方法の文書化

  • 『手直し品』が製品要求事項との適合性を検証するプロセスの構築。
  • 製品要求事項への適合は、正規品のコントロールプラン又、他の関連する文書化した情報に、従って実施する。
    (コントロールプラン記載の全ての検査を実施する)

 

4)手直しの指示方法

  • 手直し指示は、『手直し指示書』を発行する方法で行う事。その指示書には、再検査の要求項目、トレサビリティー要求事項を含める事。
  • 手直し指示書は、手直しを担当する専門の人員が、必ず利用可能な環境、場所に設置しなければならない。

 

5)手直し品の記録

  • 手直し製品の処置の記録情報を保持する。
  • 手直し記録には、以下を含める事。
    ① 手直し実施の数量
    ② 手直し処理内容
    ③ 手直し処理の実行日時
    ④ トレサビリティー情報

上記の様に、品質マニュアルへ自分なりに記載してみました。IATF対訳原文を分かりやすく書いたつもりです。

ここで論議されるのが、『手直し』と次の箇条で紹介する『修理』の定義の違いです。日本人からすると、全く同じ事で区分する意味あるのか?とほぼ100%の人が思う事でしょう。

私も色々な審査会社の審査員へ質問しましたが、納得のいく説明は得られず、審査員も曖昧でよくわからない感じでした。

そうじゃないと理屈で反論する審査員も居ると思いますが、殆ど『だから何?』の程度の説明で、結局一緒だと思っても、差し支えないと個人的には考えています。

しかし、私は、『手直し品』の定義を最初に記載しました。社員が品質マニュアルを読んで理解できない事は、宜しく無いと考えたからです。

上記に記載した定義は、とある大手審査会社の審査員から教えていただいた定義です。記憶を引き出し記載しています。ご参考まで。

 

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今回の箇条紹介は、ここまでです。

 

この記事は、ISOとIATF対訳本の個人的な見解として書いています。

 

皆さんの見解と異なる、若しくは誤っている場合も有るので、他の人は、こんな風にやっているんだという視点で見ていただければと思います。

 

引き続き、各箇条の個別記事を充実していきます。

 

 

 

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