IATF16949&ISO9001の要求事項解釈/IATF(8.5.2.1)識別及びトレサビリティ（補足）

第8章（製品実現の為の）運用のどの辺？
前箇条のおさらい/思い出し
品質マニュアル記載事例♪⇒IATF(8.5.2.1)識別及びトレサビリティ（補足）
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第8章（製品実現の為の）運用のどの辺？

『第8章（製品実現の為の）運用）』IATF(8.5.2.1)識別及びトレサビリティ（補足） に関する要求の説明に入ります。

ISO	8.5	製造及びサービス提供
ISO	8.5.1	製造及びサービス提供の管理
IATF	8.5.1.1	コントロールプラン
IATF	8.5.1.2	標準作業－作業者指示書及び目視標準
IATF	8.5.1.3	作業の段取り設定検証
IATF	8.5.1.4	シャットダウン（長期稼動休止）後の再稼動の検証
IATF	8.5.1.5	TPM（総合的生産保全）
IATF	8.5.1.6	生産治工具並びに製造、試験、検査の治工具及び設備の運用管理
IATF	8.5.1.7	生産計画
ISO	8.5.2	識別及びトレサビリティ
IATF	8.5.2.1	識別及びトレサビリティ（補足）
ISO	8.5.3	顧客又は外部提供者の所有物
ISO	8.5.4	保存
IATF	8.5.4.1	保存（補足）
ISO	8.5.5	引渡し後の活動（補償及びサービス活動）
IATF	8.5.5.1	サービスからの情報のフィードバック
IATF	8.5.5.2	顧客とサービス契約
ISO	8.5.6	変更の管理
IATF	8.5.6.1	変更の管理（補足）
IATF	8.5.6.1.1	工程管理の一時的変更（暫定工程の管理）

ISO,IATFの規格全体を見たい人は、こちらのリンクへどうぞ！

前箇条のおさらい/思い出し

前回は、ISO8.5.2識別及びトレサビリティでした。

ポイントは、工場内部の製品や半製品、NG品等々の識別、仕掛品や出荷待ち品など、現状が何か？その分かる表示、マーキングを求めた要求事項でした。

更に、トレサビリティー（履歴情報管理）の要求でした。自社で生産する製品は、原材料の購入先のサプライヤから外部委託先から客先への出荷まで、全てのプロセスで、『何を使ったのか？何処で？誰が？どの設備？何時？』と細かな履歴が、後から調べる事が可能な記録を必要とされています。

品質クレームやリコール時に、不具合対象製品の的を絞る事が可能に成り、保証すべき範囲も明確になります。更に原因対策も可能に成ります。

今回は、そのISO8.5.2 へ追加した、IATF8.5.2.１に成ります。それでは、私の解釈を下記に紹介していきます。皆さんの考えと比較してみてください。

品質マニュアル記載事例♪⇒IATF(8.5.2.1)識別及びトレサビリティ（補足）

私は、IATF対訳文を下記のように独自編集して、QMSに記載してみました。皆さんのQMS文面作成時の参考にしてみてください。

★ISO8.5.2の要求事項に以下の要求事項を追加する。

１）トレサビリティーの目的

当社が、客へ出荷した製品が、客先の工場や市場にて、不適合（品質＆安全）を含んでいる可能性が、発生した時、その不適合製品の該当Lotを特定する事を可能にする為、当社は、トレサビリティー管理を実施する。

不具合の特定は、不適合製品の範囲『最初から終り時点』を明確に特定する事を目的としている。

トレサビリティー関連の記録の種類を自社でリスト化する。（生産日報、設備点検表、条件設定表、品質記録、生産管理記録、試験記録、出荷記録等々）

２）トレサビリティー管理の文書化（その1）

当社は、「識別及びトレサビリティー」の管理プロセスを規程文書化する。その管理の規程文書には、以下の①～③を含める。

①管理の範囲：当社の全自動車部品を対象とする。

②「従業員、顧客、消費者」に対する、リスクレベル又は、故障重大度に基づいて、トレーサビリティ管理方法を決める。

③管理方法には、内部、顧客、規制のトレサビリティー要求事項を分析の実施を含める。

３）トレサビリティー管理の文書化（その２）

上記の（その１）で述べた内容に加え、「製品、プロセス、製造現場」毎に、適切なトレサビリティー管理方法は、以下を含める事。

a)製品・物の識別表示

検査の結果から判定された、『合格、不合格、落下物、要修理』等の製品の識別を可能にする。

b) 不適合品の隔離場所

不適合品の隔離された置き場の分別化を実施する。

c)顧客及び法規制の示す対応期間

顧客及び行政機関（法規制）の示す、トレサビリティー対応期間を遵守した、社内管理要求とする。

d) 記録の管理期間・期限

顧客及び行政機関（法規制）が示す、期間のトレサビリティー記録（電子版、印刷版共に）をその定められた期間内は、確実に保管する。

e)顧客指定の重要部品のロット識別表示

顧客及び行政機関（法規制）によって、保安部品や安全部品（例；エアバックシステム）に、個別製品のLot№化された識別を求められている場合は、確実実施する事。

f) サプライヤの材料、部品のトレサビリティー管理

外部提供部品（サプライヤ製品）にも、当社の実施する「識別及びトレサビリティー」管理を確実に適用する。