品質マニュアル/内部監査、認証審査時のお役立ち情報
- IATF要求事項を箇条個別に品質マニュアルにまとめた事例を紹介!
- 内部監査、外部定期審査・更新審査前の規格理解のヒントがほしい!
- そんな方々に、お役立つ記事を書いています♪
第8章 (製品実現の為の)運用 のどの辺?
『第8章 (製品実現の為の)運用)』IATF(8.7.1.5)修理製品の管理 に関する要求の説明に入ります。第8章も後半に入ります。
下表は、各箇条へ移動リンクに成ています。
ISO | 8.6 | 製品及びサービスのリリース |
IATF | 8.6.1 | 製品及びサービスのリリース(補足) |
IATF | 8.6.2 | レイアウト検査及び機能試験 |
IATF | 8.6.3 | 外観品目 |
IATF | 8.6.4 | 外部から提供される製品及びサービスの検証及び受入(購入品の受入検査) |
IATF | 8.6.5 | 法令・規制への適合 |
IATF | 8.6.6 | 合否判定基準 |
ISO | 8.7 | 不適合なアウトプットの管理 |
ISO | 8.7.1 | 誤使用と流出防止の識別管理 |
IATF | 8.7.1.1 | 特別採用に対する顧客の正式許可 |
IATF | 8.7.1.2 | 不適合成品の管理-顧客規定のプロセス |
IATF | 8.7.1.3 | 疑わしい製品の管理 |
IATF | 8.7.1.4 | 手直し製品の管理 |
IATF | 8.7.1.5 | 修理製品の管理 |
IATF | 8.7.1.6 | 顧客への通知 |
IATF | 8.7.1.7 | 不適合成品の処分 |
ISO | 8.7.2 | 不適合に要求する記録情報文書化 |
ISO,IATFの規格全体を見たい人は、こちらのリンクへどうぞ!
前箇条のおさらい/思い出し
前回は、IATF8.7.1.4手直し製品の管理でした。
手直しの定義は、
- 『手直し』とは、製品の要求事項に適合させるため、不適合となった製品又はサービスに対してとる処置の事を指す。
- そして、『手直し』は、不適合となった製品の部分に、影響を及ぼす部分を変更する行為である。
- 例;樹脂成型品のバリ除去、Assy状態調整、構成部品の脱着交換 等々
と、上記を覚えてください。
今回紹介する、『修理』との違いが分かりにくいので、『手直し』の定義との微妙な違いを理解でき無いと区別が出来なくなります。
それでは、IATF8.7.1.5修理の紹介に入ります。
品質マニュアル記載事例♪⇒IATF(8.7.1.5)修理製品の管理
私は、IATF対訳文を下記のように独自編集してQMSに記載してみました。
皆さんのQMS(品質マニュアル)文面作成時の参考にしてみてください。
★修理の管理
修理品は、顧客へ必ず、特別採用申請を実施しなければならない。また、修理した結果は、修理が成功しても、必ず製品が要求事項に適合するとは限らない。慕って、下記に記載する事を管理プロセスに含めなければならない。
1)修理前のリスク判断
- 不適合品を修理可否の判断の前に、修理する工程に対し、リスク評価を実施する。そのリスク分析方法は、工程FMEAを活用する。
2)修理前の顧客承認
- 修理を開始する前に、事前に配布受領した、『顧客要求事項』又は、顧客から個別に連絡指示を受けた場合、当社は、顧客承認を得る事。
※【8.7.1.1特別採用に対する顧客の正式許可】を参照
3)修理品の検査プロセスの手順書
- 修理品を正規仕様への適合を検証するプロセスを構築する。
- 正規仕様への適合は、正規品のコントロールプラン又、他の関連する文書化した情報に従って実施する。
- コントロールプラン記載の全中間検査、最終検査が、各検査規格通り、全ての検査項目を検査する事。
4)分解又は修理指示書
- 修理指示書には、再検査の要求事項、トレサビリティー要求事項を含める事。
- 修理指示書は、修理要員が、利用可能な場所に設置されている事。
5)修理品の記録
- 修理製品の処置の記録情報を保持する。
- 修理記録には、以下を含める事。
① 修理実施の数量
② 修理処理内容
③ 修理処理の実行日時
④ トレサビリティー情報
上記の様に、私は品質マニュアルに書きました。結論、前の箇条の『手直し品』の管理との違いが、分かる人居ましたか?
恐らく、誰も『同じじゃない?』と思ったと思います。原文も結局、『手直し』と『修理』の言葉を入れ替えただけで、基本的な要求事項は、ほぼ一緒です。
著名な解説本を読んでみましたが、その本も結局、『手直し』と『修理』を一緒の管理の様に書いています。明確に、違うとは一切書いていません。苦肉の策ですね。
審査会社数社の審査員へ、都度質問しましたが、結局、納得のいく説明は皆無。
結論、『手直し』と『修理』は一緒と考えて、管理上支障は無いと考えます。
あくまでも個人的な考えですので、明確に説明できる人が居たら、教えてください。
他の箇条へ記事へのリンク
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今回の箇条紹介は、ここまでです。
対訳本の個人的な見解として書いています。
皆さんの見解と異なる、若しくは誤っている場合も有るので、他の人は、こんな風にやっているんだという視点で見ていただければと思います。
引き続き、各箇条を追加していきますので、宜しくお願い致します。
コメント
はじめまして。
IATF 8.7.1.5 修理製品の管理について、非常に参考になりました。
手直しと修理について小生は、以下のように考えています。
製品に付いている棒が折れていた場合、
手直し:折れていない新品の棒に取り換える。
修理:折れている棒をテープや接着剤で固定して、どうにか使えるようにする。
手直しの定義「影響を及ぼす部分を変更する行為」⇒棒を取り換える行為。
修理の定義「修理した結果は、修理が成功しても、必ず製品が要求事項に適合するとは限らない。」⇒テープや接着剤で固定しても、すぐ折れてしまうかもしれませんし。
ご参考までにお伝えします。