品質マニュアル/内部監査、認証審査時のお役立ち情報
- IATF要求事項を箇条個別に品質マニュアルにまとめた事例を紹介!
- 内部監査、外部定期審査・更新審査前の規格理解のヒントがほしい!
- そんな方々に、お役立つ記事を書いています♪
第9章 (パフォーマンスの評価)運用 のどの辺?
『第9章 (パフォーマンスの評価)』
IATF(9.1.1.1)製造工程の監視及び測定 に関する要求の説明に入ります。
種別 | 箇条 | タイトル |
ISO | 9.1 | 監視、測定、分析及び評価 |
ISO | 9.1.1 | 監視、測定、分析及び評価(一般) |
IATF | 9.1.1.1 | 製造工程の監視及び測定 |
IATF | 9.1.1.2 | 統計的(SPC)ツールの特定 |
IATF | 9.1.1.3 | 統計(SPC)概念の適用 |
ISO | 9.1.2 | 顧客満足 |
IATF | 9.1.2.1 | 顧客満足(補足) |
ISO | 9.1.3 | 分析及び評価 |
IATF | 9.1.3.1 | 優先順位付け |
ISO | 9.2 | 内部監査 |
ISO | 9.2.1 | QMSの適合性 |
ISO | 9.2.2 | 内部監査の実施方法 |
IATF | 9.2.2.1 | 内部監査のプログラム |
IATF | 9.2.2.2 | 品質マネジメントシステム監査 |
IATF | 9.2.2.3 | 製造工程監査 |
IATF | 9.2.2.4 | 製品監査 |
ISO | 9.3 | マネジメントレビュー |
ISO | 9.3.1 | マネジメントレビュー(一般) |
IATF | 9.3.1.1 | マネジメントレビュー(補足) |
ISO | 9.3.2 | マネジメントレビューへのインプット |
IATF | 9.3.2.1 | マネジメントレビューへのインプット(補足) |
ISO | 9.3.3 | マネジメントレビューからのアウトプット |
IATF | 9.3.3.1 | マネジメントレビューからのアウトプット(補足) |
前箇条のおさらい/思い出し
前回の記事は、『箇条ISO9.1 .1監視、測定、分析及び評価(一般)』のご紹介でした。詳細は下記のリンクでおさらいしてください。
第9章は、PDCAのC(チェック)の部分です。
第9章は、第8章でDoした事を測定し、分析して、チェックし評価するプロセスに成ります。
詳細は、別記事の第9章シリーズで個別紹介しているので、ご参照ください。
今回の記事は、第9章の3番最初の説明に入ります。
私なりに、ISO及びIATF規格原文を読み解き、実際に社内で誰もが理解できる、平易な文書及び編集を加え、オリジナル化した内容に努めています。
品質マニュアル作成事例⇒IATF(9.1.1.1)製造工程の監視及び測定
私は、IATF対訳文を下記のように品質マニュアルを作成してみました。
皆さんの品質マニュアル作成の参考に成れば幸いです。
★製造工程監視と測定
下記に示す、工場の生産工程に必要な管理を実施しなければならない。それらは、SPC(統計的手法)を用いた管理とする事。また、最新版リファレンスマニュアルに沿った運用とする。
1)工程能力の検証
- 全ての新規製造工程(組立又は、順序付け)に対して、工程能力を検証し、特殊特性の管理を含む、工程管理への追加インプットを提供するために、工程調査を実施する。
注記)製造工程によって、工程能力を通じて製品適合を実証できない場合も有る。それらの工程に対する一括適合のような代替方法を採用しても良い。
2)SPC(統計的手法)による
①当社は、顧客の『部品承認プロセス要求事項(PPAP)』で規定された、製造工程能力(Cpk)又は工程性能(PpK)の結果を維持する。
②当社は、工程フロー図、工程FMEA、コントロールプランを確実に実施する。また、コントロールプランに指示された、検査や点検、作業の各種記録及びデータが、適切に確認記録されている事を監視する。
これら①、②に対し、下記事項の順守する事を含める。
a) 測定手法
b) 抜取計画
c) 合否判定基準
d) 変数データに対する実際の測定値又は、試験結果の記録
e) 合否判定基準が満たされない場合の『対応計画』及び『経営的な上位職責任者への伝達プロセス』
3)治工具、設備の変更と修理記録
- 治工具の変更、設備の修理のような工程の重大な出来事は、文書化した情報として、記録し、保持しなければ成らない。
4)工程能力不足に対する『対応計画』(=暫定処置)
- 当社は、統計分析にの結果、「能力不足又は不安定」の場合、『対応計画』を実施する。『対応計画』とは、暫定的に実施する対策の事を指す。
<対応計画の事例>
①製品の隔離・・・異常品として取り扱う。
②生産停止・・・異常品を作らない様にする。
③出荷停止・・・異常品の流出を止める。
④工程内の疑いのある仕掛品の特定隔離(8.3.1)
⑤異常品出荷の顧客への通知(8.3.3)
⑥全数検査の実施・・・異常品と良品を層別する。
5)是正処置計画
- 製造工程が、本来の安定(統計的能力を戻す)を取り戻す為に、特定の処置、時期、担当責任者を決めた、『是正処置計画』を作成し、実施しなければならない。
6)工程変更記録
- 当社は、4M変更管理に含めた、工程変更の実効日付の記録を残す。
- 工程変更の記録管理は、記録文書の管理に基づいて、維持しなければならない。
上記の様に、品質マニュアルへまとめてみました。
この箇条のポイントは、SPC(統計的手法)を用いて、製造工程管理をする事を求めています。
なぜか不思議な事に、IATF原文には、それを明確に記載せず、非常に分かりにくく遠回しに書いています。
統計的手法で管理する部分は、FMEAで決定され、コントロールに落とし込まれ、工程で実際に決められた任意の『時間、頻度』で、設備パラメータや製品スペックをSPCで記録分析します。
製造工程設計時の工程FMEAで決める時の話ですので、分からない人はそちらで復習してください。
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今回の箇条紹介は、ここまでです。
対訳本の個人的な見解として書いています。
皆さんの見解と異なる、若しくは誤っている場合も有るので、他の人は、こんな風にやっているんだという視点で見ていただければと思います。
引き続き、各箇条を追加していきますので、宜しくお願い致します。
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