第7章支援(経営基盤) のどの辺?
『第7章支援(経営基盤)』 16つ目の箇条です。今回は、 ISO箇条(7.1.6)組織の知識(部門業務知識の標準化) に関する要求の説明に入ります。
ISO | 7.1 | 経営の資源 | |||||||||||||||
ISO | 7.1.1 | 一般(資源の確保) | |||||||||||||||
ISO | 7.1.2 | 人々(必要な人材) | |||||||||||||||
ISO | 7.1.3 | インフラストラクチャ(QMSの運用、維持に必要な経営資源) | |||||||||||||||
IATF | 7.1.3.1 | 工場、施設及び設備の計画 | |||||||||||||||
ISO | 7.1.4 | プロセスの運用に関する環境(作業環境) | |||||||||||||||
IATF | 7.1.4.1 | プロセスの運用に関する環境(作業環境)(補足) | |||||||||||||||
ISO | 7.1.5 | 環境及び測定の為の資源 | |||||||||||||||
ISO | 7.1.5.1 | 環境及び測定の為の資源(一般) | |||||||||||||||
IATF | 7.1.5.1.1 | 測定システム解析(MSA) | |||||||||||||||
ISO | 7.1.5.2 | 測定のトレーサビリティ | |||||||||||||||
IATF | 7.1.5.2.1 | 校正/検証の記録 | |||||||||||||||
IATF | 7.1.5.3 | 試験所要求事項 | |||||||||||||||
IATF | 7.1.5.3.1 | 内部試験所 | |||||||||||||||
IATF | 7.1.5.3.2 | 外部試験所 | |||||||||||||||
ISO | 7.1.6 | 組織の知識(部門業務知識の標準化) | |||||||||||||||
ISO | 7.2 | 人々の力量 | |||||||||||||||
IATF | 7.2.1 | 力量(補足) | |||||||||||||||
IATF | 7.2.2 | 力量-業務を通じた教育訓練(OJT) | |||||||||||||||
IATF | 7.2.3 | 内部監査員の力量 | |||||||||||||||
IATF | 7.2.4 | 第2者監査員(サプライヤ監査員=SQA)の力量 | |||||||||||||||
ISO | 7.3 | QMSと目標の認識 | |||||||||||||||
IATF | 7.3.1 | 認識(補足) | |||||||||||||||
IATF | 7.3.2 | 従業員の動機付け及びエンパワーメント(=発展や改革に必要な力) | |||||||||||||||
ISO | 7.4 | 内部・外部のコミュニケーション | |||||||||||||||
ISO | 7.5 | 文書化した情報 | |||||||||||||||
ISO | 7.5.1 | 文書化した情報(一般) | |||||||||||||||
IATF | 7.5.1.1 | 品質マネジメントシステムの文書類 | |||||||||||||||
ISO | 7.5.2 | 作成及び更新 | |||||||||||||||
ISO | 7.5.3 | 文書化した情報の管理 | |||||||||||||||
ISO | 7.5.3.1 | 利用利便性及び文書の保護 | |||||||||||||||
ISO | 7.5.3.2 | 管理に取組む為の必要行動 | |||||||||||||||
IATF | 7.5.3.2.1 | 記録の保管 | |||||||||||||||
IATF | 7.5.3.2.2 | 技術仕様書(顧客要求事項変化に伴う関連文書変更プロセス) |
前箇条のおさらい/思い出し
前回は、IATF箇条(7.1.5.3.2)外部試験所でした。自社内に試験機が無く、外部に委託する場合、委託先の試験所へ求める要求事項を示されていました。要するに、きちんとした、確かな試験結果を示す事が可能な試験所と言う事です。
それでは、今回のISO箇条(7.1.6)組織の知識へ進みたいと思います。ここからは、試験所の話では無く、プロセスの標準化の話です。話題が、異なるので、ご注意ください。それでは、下記にご紹介していきます。
QMSに書いてみよう♪⇒(7.1.6)組織の知識(部門業務知識の標準化)
私は、ISO対訳文を下記のように独自編集してQMSに記載してみました。皆さんのQMS文面作成時の参考にしてみてください。
当社は、『プロセスの適切な運用』や、『製品の適合性』を個人の記憶知識『暗黙知』とせず、『形式知』に変換し、組織内の人員が文書で共有化、活用できる形に整備しなければならない。
1)プロセス運用の必要知識の明確化(標準化)
当社は、プロセスの運用に必要な知識、並びに、『製品及びサービスの適合』を達成する為に、必要な知識を明確にする。例)技術標準、作業標準、過去トラ
2)知識の維持と利用
- この知識を維持し、必要な範囲で利用できる状態にしなければ成らない。
例)各部門の業務作業標準書(Level3文書)等- 『変化するニーズ及び変化する傾向』に取組む場合、組織は、現在の知識を考慮し、必要な追加の知識及び要求される最新情報を維持しなければならない。その為に、既存の情報を更新を実行しなければならない。また、それらの情報にアクセスする方法を明確にし、利用可能な状態にする。
3)注記1
- 組織の知識は、組織特有の知識であり、それは一般的経験によって得られる。それは、組織の目標を達成する為に使用し、共有する情報である。
4)注記2
外部と内部の情報知識に関して、下記に示す。これらの情報を文書化し、社内で利用可能な状態にする必要が有る。
a)内部の知識源
例えば、
- 知的財産
- 経験から得た知識
- 成功プロジェクト
- 失敗から学んだ教訓
- 文書化していない知識及び経験の取得及び共有
- プロセス
製品及びサービスにおける改善の結果
b)外部の知識源
例えば、
- 標準
- 学会
- 会議
- 顧客又は外部提供者からの知識収集
この箇条は、古いISOやTS時代と同じです。業務知識の標準化、手順書化です。個人の経験や伝言で仕事をするのは、不効率で不明確かつ曖昧。忘れることも有ります。
よく古いおじさんが、偉そうに若手へ、高圧的に経験で意地悪して教えないで、怒鳴ってる人居るね。そう言う人に限って、説明が下手。そして、整理した効率よい手順書化も出来ないんだな。かえって、その方が、自分の威厳を保てるという、愚かなマウンティングのご都合もかなり強いね。
確かに、そんな感じの会社は沢山見てきました、中小企業ほど強いですね。そう言った会社は、若い人の能力は伸びません。しかも、活き活きした仕事が出来ていません。ストレスの空気がひしひしと伝わってきますね。
そんな無駄な悪習慣を日本は打破しなければなりません。技術の標準化、過去の知識、過去トラ、間接部門の仕事の手順書化は、最重要課題と思います。色々不効率な部分も見えてくるので、改善の為にも標準化は、最も重要な行為と思います。標準化が出来ていない会社はダメな会社と言っても過言でないでしょう!
今回の箇条紹介は、ここまでです。
対訳本の個人的な見解として書いています。皆さんの見解と異なる、若しくは誤っている場合も有るので、他の人は、こんな風にやっているんだという視点で見ていただければと思います。引き続き、日追って各箇条を追加していきますので、宜しくお願い致します。
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