IATF16949&ISO9001の要求事項解釈/IATF(7.2.3)内部監査員の力量

第7章支援（経営基盤）　のどの辺？

『第7章支援（経営基盤）』　20つ目の箇条です。今回は、 IATF箇条(7.2.3)内部監査員の力量  に関する要求の説明に入ります。

前箇条のおさらい/思い出し

前回は、IATF（7.2.3）通じた教育訓練（OJT）でした。ISO(7.2）シリーズは、人員の力量の続きです。今回は、IATF（7.2.3）として、内部監査員に特化した力量の要求事項に成ります。それでは、説明に入ります。

ＱＭＳに書いてみよう♪⇒(7.2.3)内部監査員の力量

私は、IATF対訳文を下記のように独自編集してQMSに記載してみました。皆さんのQMS文面作成時の参考にしてみてください。

組織は、内部監査員の力量を持つ事を検証するプロセスを持たなければならない。下記にその必要な要件を記載する。 

１）内部監査員の力量検証プロセス

• 顧客要求事項（CSR）を考慮に入れて、力量評価の方法を文書化したプロセスを定める。
• ISO9011（監査の指針）に定められた力量の追加ガイドを参照 する。

２）内部監査員リスト

• 資格認定された内部審査員のリストを維持する。

３）力量が必要な内部監査の種類

• 『QMS監査員』、『製造工程監査員』、『製品監査員』の3種類の内部監査員の力量を実証できなければならない。 

	必要な力量内容	QMS	製造 工程	製品
1	監査のための、リスクに基づく考え方を含めた、自動車産業のプロセスアプローチの理解。	●	●	●
2	該当する顧客要求事項	●	●	●
3	監査範囲に関連した、『ISO9001:2015版』及び『IATF16949:2016版』の理解。	●	●	●
4	監査範囲に関連したコアツールの理解。	●	●	●
5	計画、実施、報告、指摘事項のクローズの理解。 ・工程監査員は、PFMEAのようなリスク分析、コントロールプランを含む製造プロセスの技術的理解が必要。 ・製品監査員は、製品適合性検証の為、成否に要求事項の理解と測定及び試験設備の理解も必要。	●	●	●
6	組織が定める内部監査実施の最低回数の実績。	○	●	○
7	内部の変化（工程技術、製品技術）及び外部の変化（ISO9001とIATF16949規格）の格変化に基づく、要求事項の知識。	○	○	●

４）内部監査員の力量の維持・改善
①力量を確保
・内部監査員への継続的な教育訓練を実施する。
・その力量の評価は、上記１）で定めた力量評価方法にて評価する。

②力量維持
・年間監査最低回数を設ける。

③力量の改善
・変化点が発生した場合は、その変化に基づく要求事項の知識を教育し、力量を見直す。

TSから、IATFに成って、具体的な要求事項に成ったのが、内部監査員の力量です。内部監査は、QMS監査、工程監査、製品監査の3種類あります。監査員に必要な力量を示しています。

3つの監査の共通点は、IATFの規格要求を理解している必要があり、内部監査員の力量はすごく高いね。教育も大変だな。

製品監査も工程監査もそれぞれ専門知識力も求められ、大変だな。けど、上の１）～７）のマトリックスでわかりやすいね。

IATFの規格原文に対し、私は、上記の通り１）～７）と表を3監査をマトリックスで表現しました。尚、IATF規格原文は、a)～g)で表現されていますが、1)～7)で置き換えています。

いづれにしても、内部監査員を育てられる、内部のトレーナーも必要です。その人は、トップマネジメントはもちろん、自社の部門業務を熟知し、IATF１６９４９も理解している高度な力量が必要になります。

今回の箇条紹介は、ここまでです。

対訳本の個人的な見解として書いています。皆さんの見解と異なる、若しくは誤っている場合も有るので、他の人は、こんな風にやっているんだという視点で見ていただければと思います。引き続き、日追って各箇条を追加していきますので、宜しくお願い致します。